- スキル向上のため、まずは根本的にコミュニケーション能力を磨くため話し方教室に通い始めることにしました。
行動しかスキルアップは見込めないと思ったからです。 - 僕の会社は営業から会議、プレゼンテーションまで、人間力をフル動員しなくてはいけないところでした。
その3つの要素で、どれも共通するのが『話す力』。
社内でグングン伸びている奴は、その3つとも説得力がありました。
そいつは決して口数は多くはないのだけど、相手に聞かせる力を持っていました。
これが社会における、いやいや真の人間界における「できる奴」だと思いました。
この会社で出世し、いずれは独立なり、より待遇のいい会社に移れるような種類の人間──
そいつは女性にも人気がある奴で、当時の僕との格差は悔しいけれど認めなくてはいけませんでした。 - しかし、いくら羨ましがってもはじまらないですよね。
あくまで僕がバリバリの超越ビジネスパーソンにならないといけないのですから。
やはり「考えこまずに行動あるべき!」ってことで、話し方の技術を身につけようと、二つほど都内の話し方教室に通いました。
最初の一つは僕の方向性とはちょっと違うなと思って途中でやめたけれど、2つ目は営業やプレゼンテーション能力が飛躍的にあがる謳い文句のところでした。
結果は実戦の場においてはスキル向上となることはありませんでした。 - というのも、僕が今まで営業テクニック本やプレゼンテーション本や心理学本で読んだことを聞かされるだけだったからです。
「ん、、どこかで聞いたことを聞かされているぞ」と。
本を読むより頭に入ってきましたけれど。
会議やプレゼンテーションなどのシミュレーションがメインで、そちらはいいイメージトレーニングになりました。
とはいえ、やはりプレッシャーと緊張感が本番とは全く違います。
このギャップはどんなことをやっても埋めようがないわけです…。 - 思っている理想と現実の自分の感情のギャップが一緒に並走してくれないのです。
本番において、シミュレーション通りに僕の『心』が言うことを聞いてくれないのです。
この話し方教室では楽しい時も過ごしたし、仲間もできたし、励みになりました。
「あ、俺、結構行けるな」と思うこともありました。
講師の先生の熱意にもうたれたし、とてもお世話になりました。
料金分のものは取り戻せたかどうかはわからないですが。 - 今後も僕は自己啓発という大義名分のもと、色々なことにお金を浪費していきます。
成長と成功の夢を見るという名の浪費です。 - とにかく僕の潜在意識が、思っているとおりに動いてくれない。
自分がどうにもならないことは今後もずっと続くことになります。
話し方教室でも潜在意識が大事だということをいやというほど教わっていたし、自己啓発本にもそう書いてあります。
自分の潜在意識ほど思い通りに行かないものはないと思います。
「言うは易し行うは難し」ですね。
成長したいのに成長させてくれないのですから、潜在意識には困ったものです。
潜在意識の扉を大きく開かせる技術に出会うまでは、僕にとって、どうにもならないこの意識が最大の厄介事でした。
それは会社のプレッシャーや上司のパワハラなど比べ物にならないほど、手ごわかったのです。